2012年5月10日木曜日

朝の読書「落ち着いて1日始められる」

秋の読書週間が始まったが、朝の読書(朝読〈あさどく〉)を学校の活動に取り入れている小・中・高校が全国で2万6732校にのぼり、全体の72%を占めていることが、朝の読書推進協議会(大塚笑子理事長)の調査で分かった。朝に本を読むと落ち着いた気持ちで一日のスタートが切れるなど、効果を実感する声も広がっているという。

朝読は「毎日やる」「みんなでやる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」が4原則。1988年に千葉県の2人の教師が始めたのがきっかけだった。同協議会は本の取次会社トーハンの協力で97年から実施率などを調べており、10月25日現在で小学校と中学校はそれぞれ76%、高校は42%で朝読をしていた。

都道府県別では佐賀の93%が最高で、鳥取が92%、福井、静岡、島根が89%と続く。逆に低いのは東京51%、大阪53%、北海道55%、神奈川56%など。実施している学校のうち、全校一斉の学校が89%あった。また朝読時間は10分間が最多の53.4%で、15分間が33.8%、20分間が9.1%と続く。ただ、毎日実施できている学校は34.2%で、週1日が21.5%、週2日が13.5%、週3日は8.4%だった。

年々実施校数は増え、02年に1万校を超え、03年に1万5千校、05年に2万校、07年に2万5千校を突破した。朝に本を読むことで、読解力や文章力が向上し、積極性や思いやりの心が生まれるといった効果も報告されている。

トーハンは読書習慣を家庭にも広げようと06年から「うちどく」(家読)も推進している。今年の国民読書年を記念した調査では、全国の市町村のうち437市町村から回答があり、203市町村が講演会や親子読書会などを開催して、家庭での読書を推進していることも分かった。