2015年3月14日土曜日

関連情報に接することを認めない

IAEAがまとめた最新の報告書によると、イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設で稼働中の遠心分離機は5月末時点の約4900台から、8月時点で4600台に減った。

イランが濃縮活動をペースダウンさせたとの見方もある一方で、核専門家は「濃縮ウランの生産量は着実に増えている。遠心分離機の稼働数だけでは即断できない」とみる。

ソルタニエIAEA大使は4日、IAEAに送った書簡で「ナタンツの濃縮施設で査察への協力を拡大した。西部アラクで建設中の重水炉に1年ぶりに査察官の立ち入りを認めた」と協力ぶりを強調。核兵器開発研究疑惑については「証拠は捏造(ねつぞう)されたもので根拠がない」との主張を繰り返した。

だが、核爆弾に応用できる高性能起爆装置の実験など一連の疑惑の解明は進んでいない。IAEAは報告書で「1年以上もイランとの間に実質的な議論がない」と指摘。関与が疑われる人物や場所、関連情報に接することを認めないイランへのいらだちを募らせる。

米英仏露中独の6カ国は2日、独フランクフルトで外務省高官級の協議を行い、イランに核活動停止を求めて、今月の国連総会前に交渉再開を目指す方針を確認した。